個人事業主や起業家がその夢をあきらめ、挫折するもっとも大きな原因となるのが「資金難」です。事業の規模を問わず、資金の回転は事業継続の生命線です。資金が続かなくなればその時点で事業は終了です。資金に行き詰るのは事業がうまくいかないときだけではありません。順調に利益が出ていても、キャッシュフロー管理に失敗すれば資金不足に陥ります。これがいわゆる黒字倒産です。個人事業主から法人にする場合や最初から起業する場合もシビアな資金計画を立てましょう。不足分は融資で補うのも有効な手段です。
起業しようと考えたときには、地域の商工会議所の創業支援サービスを利用しても良いでしょう。まず商工会議所の窓口では、創業に関しての相談を受け付けています。原則無料で、様々な分野に渡りそれぞれの専門家が、創業に関する不明点や不安についての相談を行うことができます。さらに創業支援融資として、創業を予定している者に対し、事業計画書の審査などを行った上で、提携する金融機関に融資を斡旋するといったことも行っている場合があります。創業に関するセミナーやイベント等も利用価値のあるものです。少人数のゼミ式や基本知識を教える講義式など、同じ創業予定者との情報交換のためにも出席して損はないでしょう。
起業する際に多くの人が悩むのが資金調達に関することです。しかし、経営時と起業時の資金調達は異なります。経営実績のない起業時は、将来の予測に基づく事業計画書を審査されることになるため、その作り込みが重要になってくるのです。事業計画書を作成した後に資金計画を立て、どれくらいの自己資本金が必要なのか割り出してみましょう。起業時に融資を受けるためには、ある程度の自己資金割合が必要になります。目安としては、事業すべてを含めて必要な資金の内、2分の1から3分の1は持っておく必要があるでしょう。まずはコツコツと自己資金を貯めることが、金融機関からの信用を築くことになると言えそうです。
「技術・研究開発、サービス開発」に関わる制度の申請書を作成するには、大前提となるポイントがあります。それは日本語としてきちんと読める作文をするということ。もちろんよくポイントとされる「新規性、社会貢献性」を訴えることも重要です。しかしそれ以前に、読んでもらえる申請書でなければ意味がないのです。「文字を丁寧に書き(ワープロでの作成がベスト)、誤字脱字に注意する」「一貫性のある論理的な文章で書く」「専門用語を羅列せず、誰が読んでも理解できるように書く」「申請書の主旨を理解し、その回答となる文章を書く」など、人間が審査しているということを念頭に置いて、わかりやすい文章を書くよう心がけましょう。